昭和20年の終戦からことしで67年を迎えた。 こんなに長い年月が経過しても、 政府関係者らは終戦記念日に英霊が祭られている靖国神社の参拝を控える傾向が強い。 ことしは閣僚として羽田雄一郎国土交通相と松原仁国家公安委員長兼拉致問題担当相が民主党政権発足後初めて参拝した。 国会議員では55人が訪れたが、 野田佳彦首相は閣僚に対して自粛を促したという。 A級戦犯も含めた戦没者が祭られているため、 総理大臣らが公式参拝すると中国や韓国からは批判が上がり、 国際的な問題にも発展しかねないというのが現状。 近隣国に配慮している形だ。
 靖国神社は政治の世界だけでなく、 学校行事としても閉ざされてきた歴史がある。 戦後、 アメリカの占領下だった昭和24年に出された文部事務次官通達では 「学校が主催して靖国神社及び主として戦没者を祭った神社を訪問してはならない」 と記載。 この通達はすでに失効となっているが、 現在もこうした流れが続いているようで、 修学旅行など学校行事として訪問した学校はおそらく少ないのではなかろうか。 実際に日高地方の学校をみてみても関東方面へ修学旅行で訪れている学校は多いが、 靖国神社に行ったという話は聞いたことがない。
 個人的な意見になるが、 修学旅行で靖国神社を見学コースから外す必要もないのではないかと考える。 学校行事で広島に行けば原爆ドーム、 沖縄に行けばひめゆりの塔は必ずと言っていいほど訪れる。 筆者は決して戦争を美化しているのではないが、 靖国も戦争の史実を知る1つでもあると考えるのだが。        (雄)