昨年9月の台風12号で大きな被害を受けたみなべ町は、教訓を忘れないよう9月2日に「防災の集い」を開催することを決めた。3日にふれ愛センターで開かれた各区長でつくる町自治振興委員会(会長・中川博美東吉田区長)で、小谷芳正町長が報告した。災害時の体験発表やパネルディスカッションを計画。大水害から1年を機に、あらためて住民の防災意識高揚を図る。
 町内では台風12号災害で、清川地区の大規模崩土や東本庄地内辺川地区の床上浸水、道路決壊など大きな被害を受け、現在も復旧作業が進められている。1年がたつのに合わせて、町では住民とともに防災について考える機会を作りたいと「紀伊半島大水害を教訓とするみなべ町防災の集い」の開催を決め、自治振興委員会で各区長に協力を求めた。
 計画では、午後1時半から東本庄のふれ愛センターで開催。災害時の体験発表をしてもらう。発表者についてはまだ決まっておらず、現在調整中。続いて、和歌山大学防災研究教育センター特任准教授で防災計画や減災システム専門の照本清峰さんをコーディネーター、体験発表者らをパネラーとしてパネルディスカッション。さまざまな災害を想定し、どのような行動を取ればいいかなどについて意見交換する。当日は災害時の写真展示なども計画している。
 小谷町長は「以前は地震・津波対策が先行していたが、台風12号で土砂災害、河川の氾濫の恐ろしさを痛感させられた。この時に学んだたくさんの教訓を忘れず語り継いでいく集いにしたいと思っているので、来年以降も続けていきたい。多くの皆さんに参加してほしい」と話している。
 町では毎年、9月1日の「防災の日」にちなんで9月第1日曜日に町内全域で防災訓練を実施していたが、ことしから11月に変更。内容も山間部は孤立への対応、海岸部は津波避難など地域の実情に応じてより実践的な訓練にすることを検討している。