みなべ町自主防災会連絡協議会(中本光一会長)は、近く台風12号で大きな被害を受けた清川地区の災害調査に取りかかる。和歌山大学防災研究教育センターの照本清峰特任准教授らと連携して実施。18日には清川公民館で打ち合わせ会議が開かれ、区長4人が当時の状況などについて説明した。今後、住民へのヒアリングなどを行って災害当時の様子を検証し、今後の防災対策に活用する。
 清川地区では、台風12号の豪雨による土砂崩れが各地で発生。男性1人が土砂の下敷きになって亡くなったほか、地区外に通じるすべての道路が一時的に寸断されて孤立状態に。電話や電気などライフラインもストップした状態が続いた。
 自主防災会連絡協議会では今回の災害を今後への教訓として生かすため、当時の状況や住民対応などの調査に乗り出す。和大の照本准教授や学生らと連携し、来月から住民へのヒアリングやアンケート調査などを進めていく方針。
 打ち合わせ会議には照本准教授、学生2人、地区内の4区長ら計10人が参加。冒頭で中本会長が「清川地区では大きな被害が出た。初期対応から検証し、今後の防災に活用していきたい」とあいさつ。このあと、大雨警報が発令された9月2日からの詳しい状況や対応について各区長が説明した。
 木の川区の龍神睦男区長は「土砂で埋まった男性の救出作業に当たったが、連絡手段がなく道路が寸断されていたことが大きなネックとなった」、軽井川区の硲幸男区長は「道路が寸断され、単車で区民の安否確認に回ったがかなり時間がかかった。もし要救助者がいた場合は1人では対応できず、担架を用意しておくべきだと痛感した」、大川区の西村富男区長は「被災現場を確認し、区民の手作業で土砂の撤去を進めた」、名之内地区の寺谷崇区長は「雨脚が強まった3日夜、浸水被害の恐れのある場所に土のうを積み、危険が予想される世帯には避難も勧めた」など、それぞれの行動を中心に詳細に話した。
 
 打ち合わせ会議に先立ち、区内の被災現場10カ所も見て回った。