「そりゃこい、そりゃこい」。16日、由良町宇佐八幡神社の「由良祭」が行われ、朝早くから境内で若衆のパワー爆発。大いににぎわっていた、と感じた。しかし、一方で「人が少なくなった。昔は獅子舞を囲む観客らで境内の地面は見えなかったもんだ」という地元住民のリアルな声を聞いた。9日の衣奈八幡神社の「衣奈祭」でも同じ。祭りが地域の活性度をはかる尺度の一つとすれば日常、はた目に気づかないうちに進む過疎化でまちの元気が失われ、それを住民自らも感じているのだろう。
 そんななか、町商工会青年部が中学校で出前授業を行った。一つは学校の授業で習う知識のほかに現場の生きた技術、知恵を披露して興味をもってもらい、進路の参考にしてもらおうという取り組み。もう一つは地元に誇りを持って頑張っている姿を見せることで、子どもたちに同じような考え、由良町に残ろうという思いが芽生え、過疎対策の一役を担うことができればという熱い思いが込められていた。子どもたちの心に届いたかは今はわからないが地域連携教育による、まちの将来を考えたとてもいい事業。学校や地域住民の意欲が感じられた。
 11月3日、恒例のイベント「ゆらふれあい祭」が行われる。このように過疎対策や活性化へ向けた取り組みは数多い。一方、各種団体の思いがバラバラという感じが否めないときがある。過疎対策は行政だけの仕事ではなく、また、成果はみえづらく、すぐに表れるでもないだろうが、いつまでも大にぎわいで元気な祭りができるよう、まちが一つになって、あらためて大きな課題に臨む必要がありそうだ。   (笑)