ことしも1年の半分が過ぎた。前半を振り返って大きなニュースといえば、やはり3月11日に発生した東日本大震災だろう。マグニチュード9・0を記録した未曾有の震災。東北地方を中心に大津波が押し寄せ、沿岸部では壊滅的な被害を受けた。3カ月が経過した現在も避難生活を続けているという世帯も多い。また、この災害の影響で発生した福島原発の事故も世界的に注目されるような大惨事となり、事故以来連日、テレビや新聞のトップニュースとなっている。いまも放射能汚染が懸念されるなど、収束のめどは立っていない。
 筆者の取材担当のみなべ町に目を向けてみると、梅の秀品率が低下して農家らが大打撃を受けたことが上半期の大きなニュース。5月末に季節外れの台風2号が接近、落果被害では11億円を記録し、台風の強風で果実が周りの葉などと擦れて傷付くという被害も受けた。ほかにもことしは多雨のためにスス斑症などの病気の多発で果実の秀品が少なくなった。日本一の梅産地が風雨に泣かされたといえる。
 最近は明るいニュースが少ない。「これだけ暗いニュースばかりだと、精神的に滅入ってくる」という声も聞かれる。マイナス的な気分になると、うまくいくことも失敗してしまうことがある。常に明るく前向きな気持ちで取り組むことが必要だ。
 みなべ町北道区では1日、厄除け神事「大払い」が行われた。残りの半年が無事に過ごせるように区内で獅子を舞わせて厄を払うという古くからの習慣。暗いニュースが続いている時こそ、神頼みで気持ちを切り替えるのも1つの方法だろう。       (雄)