みなべ町の梅産業関係機関で構成する南部郷梅対策協議会と南部高校が連携し、本年度から新しい梅製品の開発を進める。高校生の若い発想を新しい梅の加工方法に生かし、若年層をターゲットとした販売戦略が狙いだ。過去を振り返ってみると、ハチミツ入りなどの味付け梅干しの開発で消費が飛躍的に伸びた経緯もあった。
 先日、その第1回の会合が開かれた。出席したのは園芸科や生産技術科の生徒でつくる農業クラブのメンバーら。司会役を務めたみなべ町職員から「梅干しでできるスイーツはどんな物が考えられるか?」と質問を投げかけると、早速「梅入りのチョコレートはどうか」「シュークリームの中に入っているクリームに梅の果肉を加えたらおいしそう」「梅プリンもできそうだ」「かき氷のシロップにも使えそう」などの意見が次々と出た。
 みなべ町では大手菓子メーカーのロッテとコラボした「小梅ちゃん梅干し」を販売しているが、その商品の販売でも東京都内の女子高生で組織する「小梅クラブ」の意見を反映させた。女子高生からは「梅干しにはいろんな味があるが、商品を見ただけではまったく想像ができない」という声があり、「酸っぱさ」や「甘さ」などを5段階で表示するという試みを取り入れた。言われてみれば「なるほど」と思うが、実際にアイデアを出すのは難しい。
 そもそも、南高梅の名前の由来は南部高校(愛称南高)。昭和25年に同校の教諭を務めていた竹中勝太郎氏が「南高梅」と種苗名称登録した。南高梅とはゆかりが深い学校。その生徒たちがどんなアイデアを出すのか楽しみにしたい。     (雄)