3年の歳月がかかった日高川町の議員定数問題。5日に開かれた調査特別委で、日高地方で最も多い16の定数を12とする方針を決めた。定数問題は全国的傾向に逆行してこれまで削減反対姿勢を2度にわたり示し町内外から物議を醸した課題で、紆余曲折の末にようやく決着を見た。今後、本会議で可決されれば正式に決定、平成26年春の次期改選から施行される。この定数に対して賛否両論あるだろうが、妥当な数ではなかろうか。
 議員数が多ければ、行政へのチェック機能も厳しくなるだろうし、町民の声を行政により反映できるなどメリットは多い。しかしおととし春の首長選で住民アンケを行った際に議員数が多いという声も寄せられた。首長選のため紙面には反映できなかったが、1年後の町議選でアンケをしていれば削減賛成の声が過半数を占めたであろう。現におととし暮れに住民グループが提出した定数削減を求める請願書には、有権者の半数に当たる4134人もの署名が添えられていた。面積や人口、地域柄、合併などさまざまな要素があるため、比較論が正しいかどうかは別にしてやはり御坊市(14)より多いのは首を傾げたくなる。学術的な根拠や理屈をさておいても、16は多いと感じてしまうのが住民感覚と言うものだろう。
 本来なら昨春の改選はこの12なり、請願書で訴えた14なりで施行すべきだったと考える町民が多いのではないか。すったもんだした末に何を今さらと思っておられる人もいると思うが、何はともあれ4削減。難題に決着を見たいま、自らが適正と決めた定数より4人も多いのだから、16議員の皆さんにはきめ細かな活動と活躍でより一層の住民福祉の向上に寄与することを期待したい。
       (昌)