いつになったら終わるのか。イスラエルの暴走が止まらない。危険な核兵器国のイランとの小競り合いは一つ間違えば第5次中東戦争、第3次大戦の引き金ともなりかねず、先のイランのミサイル攻撃に対してどう反撃に出るのか、世界の注目が集まっている。

 パレスチナ問題は、元をただせば第一次大戦時、多くの植民地を持っていたイギリスの責任が大きいという。戦争にユダヤ人とアラブ人の協力を求め、その見返りとして双方にパレスチナでの国家建設、独立を約束した二枚舌外交がよく指摘される。

 第二次大戦でナチスの壮絶なホロコーストを受けたユダヤ人には国際世論の同情が集まり、1948年、ユダヤ人が国連による提案を受け入れる形でイスラエルを建国したが、それによって多くのアラブ人が住む土地と家を奪われた。

 以降、両者の国土と主権をかけた戦いは何度も繰り返され、米国のクリントン政権時には大統領の執念で双方が和平交渉合意(オスロ合意)にこぎつけたが、PLOのアラファト議長の笑顔とは対照的に、イスラエルのラビン首相の表情は厳しかった。

 無論、昨年10月のハマスによる奇襲は許されない。対するイスラエルのネタニヤフ首相はハナから受けたダメージの何倍もの痛みを与えるべく、市民や難民の巻き添えに目もくれず、米国のバイデン大統領、ブリンケン国務長官の必死の説得に耳を貸さず、過剰な報復を続けている。

 何より恐ろしいのは最も敵対するイランとの全面戦争。先のイランによるイスラエル直接攻撃に対するG7の非難、経済制裁強化は、イスラエルのシリアのイラン大使館攻撃は無視されている。力を発揮すべき米国は大統領選を前に動きがとれない。(静)