まちづくりを考えるにあたって、年配の方々の知識や経験が生かされることは多いが、若者の斬新なアイデアや行動力が役に立つのは言うまでもない。自治体によって地元の若者のワークショップを開いたり、地域外の学生を呼んで意見を聞いたりすることがあり、まちの将来を担うリーダー的な存在も必要である。

 先日、御坊市役所若手職員政策検討プロジェクトチームの政策提案発表会が開かれた。市役所では都市計画マスタープラン改定や事前復興計画策定にあたり、御坊・野口、湯川・藤田、塩屋・名田の3つの若手グループを作ってまちづくりについて協議。それをさらに発展させて「地域活性化のため最優先で取り組む施策」をテーマに政策案をまとめ、初の発表会となった。野口の高速ICに近い道の駅やJR御坊駅前の複合施設などの提案があり、いずれも地域の課題や事業効果などを分析して具体的な内容が盛り込まれており、とても分かりやすく、興味深かった。

 各チームでは普段の業務とは別に時間を取って政策を煮詰めており、発表を終えた職員からは「課を超えて話し合いができてよかった」「自分にはない発想の勉強になった」など、各課横断のチーム編成に好感触。こういったことが自らの政策提案能力アップにつながるし、引いてはまちのためになり、堂々と発表する彼ら、彼女らの姿は非常に頼もしく感じた。

 まちづくりの主役は市民であり、行政主導の取り組みは長続きしないと言われることもあるが、うまくけん引、誘導するのも行政の役割。若手職員自らがまちのリーダーになるぐらいの心意気で、頑張っていただきたい。(吉)