グループワークでノートの内容を話し合う参加者

 御坊市権利擁護推進協議会は19日、市役所で会議を開き、同市版エンディングノートの作成に取りかかった。万一のことがあったときに備えて自分に関するさまざまな情報をまとめておくノートで、市販のものもあるが、協議会では「自分自身の将来を考えるきっかけ」をテーマに全世代対象のノートを想定。2024度中の完成、25年度からの配布を目指している。

 協議会は弁護士会や司法書士会、福祉、医療、金融機関、裁判所、行政などの官民で構成し、認知症や知的障害者らの財産管理、日常生活を社会全体で支えるための体制づくりを進める組織。エンディングノートは法的効力はないが、一般的に自分の死後、家族が困らないように所有している財産や口座の情報、葬儀などに関する希望を書き留めておくノートで、御坊ならではのオリジナルノートに仕上げることになった。

 会議ではエンディングノートに自身の医療や介護、財産、葬儀、成年後見制度の希望など何を書いてもらうか、具体的な項目を協議。内容を盛り込み過ぎず、少しでも書いてみようと思ってもらえるよう工夫していく。本来の対象はシニア世代だが、判断能力が低下する前に将来について早期に考える必要があるため、全世代を対象にすることが理想とした。参加者からは「SNSの情報管理についても項目に加えるべき」「御坊の認知症対応では本人の意思決定や視点を大切にしてきたので、それらが反映できるようなノートに」などの意見があった。今後、ワーキングチームでの検討をはさみながら同協議会を開き、今年9月までにエンディングノートの内容を決定。製本して2025年度から希望者に配布するほか、市の出前講座でエンディングノートを書く会(仮称)を開催し、ノートへの記入を推奨していく。