「清流中から宇宙飛行士の誕生を」と藤島さん

 印南町の清流中学校(塩路秀喜校長)で19日、串本町の串本古座高校に来年度設置される「宇宙探求コース」の専門教諭藤島徹さん(56)の出前授業が行われ、全校生徒24人が宇宙開発について話を聞いた。

 藤島さんは神奈川県出身。公益財団法人日本宇宙少年団職員、学習塾講師などを経て、一般社団法人日本宇宙フォーラムに勤務。昨年3月までは宇宙航空研究開発機構(JAXA)に出向していた。今年度からは県職員として採用され、串本古座高校普通科に設置される宇宙探求コースの専門教諭に着任。出前授業は生徒らに少しでも宇宙に関心を持ってもらい、串本古座高校を進路の選択肢としてもらえればと県内各地の学校へ出向いて行っている。

 「最近の宇宙開発について」と題して行われた授業は、宇宙開発にかかわる仕事内容についてのほか、日本初の月面着陸に成功した無人探査機SLIMを搭載したH2Aロケット、21年に串本町に建設された日本初の民間ロケット発射場のスペースポート紀伊など、さまざまな取り組みが紹介された。現在8人いる日本人宇宙飛行士についても触れ、藤島さんは「和歌山出身の宇宙飛行士はまだ誕生していません。みんなの中から宇宙飛行士が誕生してほしい」とし、「宇宙に少しでも興味を持った人は、ぜひ串本古座高校へ」と呼びかけた。

 生徒に向けてのメッセージでは「中学生のうちに熱中できるもの、誰にも負けないことを一つでもいいので作ってください」とアドバイス。「見ている人は必ずいる。失敗してもめげないで、どんどん挑戦してほしい」とエールを送った。授業を聞いた市原安彩さん(3年)は、「今まで宇宙について興味がなかったけど、藤島さんの話でちょっと興味を持つことができました」と話していた。