昔の写真を見せながら戦争の歴史を紹介する新田さん

 由良町の由良小学校は17日、町の戦争の歴史について学ぶ授業を行い、6年生36人が町教育委員会教育課の新田天馬さんから説明を受けた。

 新田さんは、由良湾は湾口が深く入り組み、海底が深いことから1941年に大日本帝国海軍紀伊防備隊が発足し、その後、由良には1600人の将兵が駐屯し、港には軍艦が停泊していたと説明。終戦の年となる1945年7月には由良湾に停泊していた海防艦30号が米戦闘機の攻撃を受けて擱座(かくざ)、炎上し、多くの死者が出たことを話し、湾内で海軍の艦艇が機銃掃射を受けている様子を収めた動画も紹介した。このほか、学校前の紺源山(こんげんやま)山頂に高射砲が配備されていたことや、基地があった阿戸地区を中心に多くの防空壕が作られたこと、町内で特攻(人間魚雷回天)の訓練が行われていたことなども話し、「戦争では由良町でも大きな被害があったことを覚えておいてください」と呼びかけた。