軽快な演奏の天音太鼓(道成寺)
破魔矢を渡す白樫さん(松原王子神社)

 新型コロナウイルス感染症の5類移行後初めての新年がスタートした。全国的には能登半島地震、羽田空港の旅客機衝突など大きな自然災害、事故のニュースが相次いだが、日高地方の三が日は穏やかな陽気となり、各地の神社は初詣客のにぎわいが戻り、日高川町の道成寺では年明けと同時に天音太鼓保存会の初打ち、みなべ町の須賀神社では2日に馬駆け、下阿田木神社では3日に伝統のお弓神事が行われた。

 御坊市の小竹八幡神社(小竹伸和宮司)ではコロナ禍の3年間は感染防止対策として鈴緒が撤去されていたが、今年は4年ぶりに取り付けられた。参拝を順番待ちする人の列もみられ、お守りなどを販売する授与所でもにぎわいをみせていた。

 家族で訪れた薗の40代男性は「去年の5月にコロナが2類から5類に引き下げられた。今年はコロナの影響のないよい年になってほしいですね」と笑顔を見せていた。

 御坊市と日高川町を拠点に活動する天音太鼓保存会(寺田郭伸代表)は1日、道成寺で初打ちを行った。

 本堂で祈祷を受けたあと、約200人が集まる中、午前0時から演奏を開始。中学生から一般までのメンバー約20人が「濱口梧陵ご献上稲むら太鼓」「屋台囃子」「華」など4曲で力強いばちさばきを披露した。

 美浜町吉原の松原王子神社(小竹伸和宮司)では元日、小学生の巫女が登場。初詣客におみくじや破魔矢を販売した。

 松原小学校5年生の白樫穏空(しずく)さんで、今年が初めての巫女体験。朝から家族連れら多くの初詣客が訪れ、忙しく対応した。初詣に訪れた吉原の永楽務さん(67)は、「今年も家族みんなが健康で過ごせるようにお参りしました」と話し、破魔矢を購入。白樫さんは「皆さんの幸せを祈るお手伝いができればと思います。私自身は書道、ピアノ、合気道を習っており、大会や試験などがあるので今年も頑張りたいです」と笑顔だった。

 みなべ町西本庄の須賀神社(前芝弘知宮司)は2日、新春を祝う馬駆けを行い、多くの参拝客が見物に訪れた。

 同神社の秋祭りでも馬駆けを行う畿南馬事文化保存会(田上雅春会主)が、今年は2頭の馬を揃え、4人の騎手が走らせた。1頭ずつの疾走や、最後は2頭駆けもあり、参拝客は馬場の両側に立ちスマートフォンで写真や動画撮影。馬が勢いよく走る様子に感嘆の声も上がった。

 日高川町皆瀬の下阿田木神社(西川秀人宮司)では3日、新春恒例のお弓神事が行われた。

 源平時代に始まったとされ、矢を射て厄を払い、氏子の無事や五穀豊穣などを願って行われている。

 川原河、阿田木、打尾、越方、平岩・原日浦・姉子の5地区から参加した12人の氏子が白装束に身を包み、約15㍍先に立てられた2㍍四方の的や30㍍ほど先に設置された直径約30㌢の小さな的を狙って矢を放った。