「土木建築人材の養成を」 と中村議員

 11日の県議会一般質問は御坊市選出の中村裕一議員(自民党県議団)が登壇し、土木建築人材の養成を求めた。

 中村氏は自身が今年9月の県議会建設委員会の中で、工事の適正な受注や建設業界の発展のために、土木建築人材の養成が必要なことを指摘。岸本知事も先月22日、御坊市で開かれたタウンミーティングで「普通科を工業や商業、デザインなど専門分野に変えていこうと思う」と発言したことを紹介し、「紀央館高校に土木建築コースを設置することの所見をうかがいたい」と質問した。

 宮﨑泉教育長は県内高校工業科の入学希望者が少ない現状や生徒数の減少に伴い、専門学科の新設や拡充は厳しい状況としつつも、人材の育成を県全体として前向きに検討する必要があるとの認識を示し、「学科の設置などを行う場合は地域の盛り上がりやニーズが必要。県教委としては学校長とのヒアリングを通して将来像の構想を協議し、各高校の魅力化、特色化に向けて取り組みたい」と答弁。紀央館への土木建築学科の設置には言及しなかった。岸本知事は「中村議員の(土木建築人材の養成が必要だとする)指摘に全くの同感。ただ、工業学科の入学希望者が少ないので、工業学科の就職率が高いことをPRする必要がある。普通科の定員を減らして専門学科を増やすことも考えたい」などと述べた。

 中村氏は洋上風力発電の推進や〝塩漬け〟状態の御坊工業団地熊野地区の利用についても質問し、岸本知事が洋上風力発電に「経済の新たな成長の芽となるようしっかり取り組みたい」と答弁。熊野工業団地については三龍正人商工観光労働部長が採算性の問題から事業を進めるのが難しいと説明した。