坂さんの作品 「羽休め」

 全国の高校生がアート作品を競う大阪芸術大学の「世紀のダ・ヴィンチを探せ!」高校生アートコンペティション2023で、紀央館高校3年、坂成海さんの彫刻が上位の特別賞を受賞した。高校最後の作品で、全1925点の中から選ばれる快挙となった。

 美術、工芸、映像、音楽、写真など幅広いアート作品を募るコンペで、今回は全国の534高校から応募があり、最高のダ・ヴィンチ大賞1点をはじめとする各賞を選び、特別賞は9番目となる上位賞。

 坂さんの作品は、流木にとまるワイヤーのチョウを表現した彫刻作品「羽休め」。高さ44㌢、幅50㌢、奥行き38㌢。流木とワイヤーの作品は過去にも作っており、今回はかわいさをテーマにチョウを加えた。海岸でイメージに合った流木を探すところから始め、ペンチを使ってワイヤーを曲げチョウの羽の模様や落ち葉、アジサイなどを表現。羽や花の模様はボンドを薄く伸ばして固め色をつけるなど工夫を凝らし、色は黄や青、緑などを使って鮮やかに仕上げた。

 「ボンドを使うことを思いつくまで試行錯誤しましたが、普段使うボンドが蓋に固まっている様子を見てひらめきました。チョウの羽は図鑑を見ながら細かい作業となりましたが、楽しく作ることができました」と話し、「ダ・ヴィンチにはずっと出展したく、高校最後に出すことができ、すばらしい賞をいただけてうれしいです」と笑顔。「進学後も美術と勉強を両立させ、将来も美術の経験を生かせれば」と話している。