2日夜、フィリピン・ミンダナオ島付近を震源とするマグニチュード7・7の大地震が発生した。県内でも津波注意報が発令され、御坊市祓井戸では20㌢の津波が観測された。翌3日夕方にもインドネシア・スマトラ島マラピ火山で大規模噴火が起こり、太平洋地域で大規模な地震や噴火が続いた。

 日本も自然災害が多い国。毎年のように台風が上陸するし、地震の発生も多い。1995年には阪神淡路大震災、2011年には東日本大震災が発生し、多くの命が失われた。日高地方でも、11年の紀伊半島水害には死者が出たし、近い将来、南海トラフの大地震の発生も懸念されている。

 フィリピンで発生した地震の翌3日、日高川町皆瀬の打尾区で防災ワークショップが開かれた。同区は世帯数約20軒で住民は30人程度。11年の紀伊半島水害では大きな被害を受けた。ワークショップでは避難に必要な情報や避難経路の確認。危険箇所の把握などを再確認し、洪水や土砂災害に対する個々の行動を見直した。新たな災害対策ができたわけではないが、日頃から災害に対して考えるきっかけを持つことは大事。いざ災害が発生した場合の冷静な判断につながる。

 中学時代の担任の先生が「人間は自然には勝つことができない」と言ったのを覚えている。それから約40年以上が経過し、科学が進歩した今も「人間は自然災害の前では無力」というのはよく聞く。唯一、自然に対して対抗できるのは逃げること。

 もうすぐ年末年始を迎える。この機会に防災グッズを再点検し、集まってくる親戚らと自然災害からどうしたらいち早く逃げられるのかを話し合ってみてはどうだろう。(雄)