ハーフマラソン大会本番が近づき、練習のためにランニングしているが、1カ月ほど前に左ふくらはぎを痛めてしまい、なかなか完治しない。筆者の場合、症状はまだ深刻ではないが、スポーツに打ち込む小中高校生の諸君は、けがはつきものだろう。ときには骨折、アキレス腱や半月板損傷、靭帯断裂、少年野球選手に多い野球肘など、復帰までに半年や一年かかってしまうケースもある。体だけでなく心が折れそうになることだってある。けがは誰もしたくないし、しようと思ってしているわけでもない。予防できるに越したことはない。

 御坊市の社会医療法人黎明会北出病院は、特に子どものけが予防に力を入れている。来年1月6日にはメジャーリーグのニューヨーク・メッツでマッサージセラピストとしてメジャーリーガーの体のケアやけが予防を担当している小林睦宜さんを招いた講演会を開く。世界最高峰で活躍するトレーナーから学生時代にオススメのトレーニング方法や、ケガの予防、ケガをした時にやるべきことが聞ける滅多にないチャンス。この機会を逃す手はない。

 ケガの予防には、本人はもちろん、保護者、指導者らチームスタッフにもっと意識を高めてもらうことが大切だと、北出の担当者はいう。こういう機会があれば、「チーム全体で聞きに行こう」というのが当たり前になる、そんな雰囲気を作り上げたいといわれていたことに大いに共感する。チーム側も大切な子どもを預かる立場。普段から心がけているだろうが、トレーニングに加え、けが予防に対する意識を高めて具体的に取り入れることが競技力向上にもつながるだろう。(片)