完成した配水池の前でテープカット

 由良町が2020年度から取り掛かっていた里地内の只越(ただこし)配水池の建設工事が完成し、27日に現地で竣工式が行われた。旧施設の老朽化対策と耐震基準への対応に向けた45年ぶりの新設で、災害時の水道水の安定供給を図る。

 配水池は浄水場などを通過してきた水を貯めておく施設で、只越配水池は町内の5カ所にある2次配水池へ水を送る1次配水池となっている。江ノ駒地内にある旧施設は築45年が経過し、老朽化が進み、耐震基準を満たしていなかった。

 町は20年度に事業着手し、22年度から造成工事に取り掛かり、今年10月に施設が完成。新たな施設は旧施設の北東約100㍍に位置する山中に建設。耐震性を備えたほか、材質や構造を変更しメンテナンス性などが向上、緊急遮断弁も設置した。貯水容量は人口減少に合わせ以前の2000立方㍍から1600立方㍍に変更。供用は随時開始している。

 式典には町関係者のほか、町議会議員、地元の羽山幸一里区長、施工関係者らが出席。山名町長は「更新事業の完了により、配水池の耐震性が確保され、震災時の施設被害軽減を図り、安定的に安心・安全な水道水を供給することができる」と式辞、玉置一郎議長も祝辞を寄せた。最後は出席者でテープカットを行い、完成を祝った。

 総事業費は7億1000万円。設計は日本技術サービス株式会社和歌山事務所(内田浩幸代表)=和歌山市=、建設は中平建設株式会社(中平孝治代表)=湯浅町=、造成は株式会社梶工務店(梶正典代表)=由良町=。