シミュレーションについて説明する城下准教授

 印南町で防災を研究している関西大学社会安全学部の城下英行准教授(42)らは10日、印南中学校で3年生34人を対象とした津波避難のシミュレーションに関する授業を行った。

 関西大学、近畿大学、東ロンドン大学が共同で進めている研究の一環で、授業は防災学習とシミュレーションの技術に興味を持ってもらおうと行われた。

 シミュレーションは事前に生徒らが行った住民アンケートを基に実施。「津波がきたとき、あなたは避難しますか」「どのタイミングで避難を始めますか」という2項目をまとめてその数値を集計し、シミュレーション動画に反映させた。

 結果は、「避難しますか」の質問に、約70%が「避難する」と回答。「どのタイミングで避難するか」の質問には、「揺れが収まった時点で避難する」が76・5%、「津波警報の発令を聞いた時点で避難する」が15・7%だった。生徒たちはそれぞれの数値を基に作られたシミュレーション動画を視聴し、避難するタイミングの違いで被害の大きさが変わってくることを学んだ。 

 城下准教授は「シミュレーションでは津波以外にも避難所の混雑予測などいろんなデータが検証できる。住民と一緒にデータを集めて、町の防災に役立てていければ」と話していた。