急カーブが多い水越峠

 由良町と広川町を結ぶ水越峠の国道42号改良について、国土交通省が2019年度から進めている調査が、近く新たな段階に進むことになった。急こう配、急カーブが続き、地元住民からも強い改良の要望が出ている交通の難所で、今回の調査の進展により、早期のルート決定、事業化に期待されている。

 水越峠の国道42号は、観光ルートや町内企業の物資輸送などで活用されているが、坂道や急カーブの連続で低速走行を余儀なくされるほか、連続雨量が240㍉を超えると通行止めにもなり、海岸線道路を大幅に遠回りしなければならないなど、交通に大きな支障が出ている。

 2015年8月には、由良と広川町の官民が一体となって国道42号由良町畑広川町井関間改良促進協議会が設立。国の関係機関や本県選出の国会議員らに要望活動を行い、畑と井関地内を結ぶ国道42号延長6・4㌔区間の早期改良を訴えてきた。

 二階俊博衆院議員からの連絡によると、国交省の調査は2019年から始まり、昨年度までに地表地質調査と国道でのボーリング(2カ所)を実施し、平面的な地層の把握、局所的な地中内部の断層配置や破砕(はさい)帯などの確認を行ってきた。今回はさらに詳しい調査となり、断層や地滑り地形個所の地中内部の地下水の状況を確認していく予定で、その後は地質の専門家の意見を聞きながら概略ルート、構造の検討を進めていくとしている。

 促進協議会の会長を務める由良町の山名実町長は、「水越峠の改良は町民の悲願。ルート決定のためのより詳細な調査を実施していただけることになり、事業化に向け着実に進んでいることを嬉しく思います」と話している。