スタンプラリーのQRコードを張る小森さん

 8日に本祭が行われる衣奈祭に、唐船を奉納する吹井祭礼実行委員会は、7日の内祭で和歌山高専と連携し、祭りと防災をコラボレーションした取り組みを行う。多くの住民らが参加する祭りの中で、防災を学んでもらおうと初の取り組み。唐船のルート上にクイズやスタンプラリーを組み合わせる。

 唐船は衣奈祭の奉納行事の一つで、毎年、本祭の前日に由良あかつき園前から出発。数十人の若衆らが「エイヤー」と掛け声を上げながら担ぎ、糸谷コミュニティセンターまでの約2㌔を練り歩く。

 4年ぶりとなる今回は、防災要素を加えようと和高専とコラボ。取り組みはクイズやスタンプラリーなどで、クイズでは地域の過去の津波被害などについて◯×ゲームなどを行う。スタンプラリーではルート上にある海抜表示版にQRコードを取り付けており、スマホなどで読み込むと津波動画などが流れる。最後にクイズがあり、答えをスタンプラリー用紙に書いて提出する。このほか餅まきもある。

 実行委員会の坂口隆紀会長は「日々の防災訓練などでは参加する人が固定化する傾向がある。祭りには老若男女が参加し、そこで防災を学ぶことで地域全体の防災力を上げることができる」と話している。和高専では環境都市工学科5年の小森琳央さんを中心に取り組んでおり、研究内容は第2回高専防災減災コンテストに応募。すでに書類審査を通過しており、7日の結果を検証資料として提出する。