22日に行われた県議会一般質問は、御坊市選出の中村裕一県議(自民党県議団)が登壇し、選挙公約にも掲げていた人口減少対策について、先を見据えた施策を提案した。中村議員は、県内の人口減少の原因は若者世代の県外転出にあり、県外から人が流入してくる循環作りが必要だとし、優秀な人材を和歌山に集めるための大学設置、誘致等を積極的に進めるよう求めた。

 中村議員は、人口減少は県内で静かに進行し、町や山村を破壊しており、本県が直面する重大な危機とし、知事に原因と対策をただした。岸本知事は今年4月の推計人口は89万6000人で、前年比1万1000人の減少、うち自然減が9600人、社会減が1500人で、対策として妊娠から子育てまでの伴走型支援、雇用の場の創出などに取り組んでいるとし、市町村、県議会、県民とともに持続可能な和歌山を実現させたいとした。

 中村議員は再質問で私見を交え、人口減少につながる施策を提案。かつてはアメリカのゴールドラッシュ、日本の炭鉱などに人が集まり、最近はシリコンバレーのように、発明・発見があることころに人が集まっているとして「和歌山を常時発明や発見があるところにすることが人口減少を食い止め、増加させる一つの方法」と持論を展開した。

 (ノーベル物理学賞を受賞した)中村修二氏が青色発光ダイオードを発明した徳島県の企業は、従業員数200人からわずか30年で9000人の大企業に成長したことを例に挙げ、「常時発明が行われる和歌山にするためには優秀な人材を和歌山に集めること。具体的には大学を設置・誘致することで子どもの進学先となり、大学の先生は研究者であり発明家でもある」とし、他にも理数系教育の推進、起業しやすい環境整備、金融支援、英語教育の充実も併せて提案。「宇宙航空、情報工学、医療工学、農学部などまだ和歌山でも進められる大学はある。時間のかかることかもしれないが、今からでも遅くはない」と訴えた。

 このほか、スポーツ賞の表彰規程について、県内に生まれ育ちながら県外の高校や大学へ進学して活躍してもスポーツ賞の対象とならないことに疑問を投げかけ、改善も求めた。