年をとってもサッカーを楽しんでいるメンバー

 9月は敬老月間。団塊の世代が75歳以上となる2025年を控えるなど、高齢社会は年々進んでいるが、高齢者になっても若々しく、元気な人はたくさんいる。健康維持のためにスポーツを楽しんでいる人も多く、受け皿となるチームを結成して活動している競技もある。シニアサッカーの和歌山毬游(きゅうゆう)倶楽部もその一つで、60歳から84歳まで、毎月プレーを楽しんでおり、生きがいにもなっている。

 メンバーは日高地方の11人をはじめ、県内全域から42人。ねんりんピックのサッカーの様子がテレビで紹介されたのがきっかけで、「和歌山でも作ろう」と最年長の西辯之丞さん(84)=紀の川市=らが中心となって2001年に結成。和歌山の童謡「毬と殿様」にちなみ、毬とたわむれるという意味でチーム名を決めた。

 ねんりんピックは2001年の広島大会から出場しており、札幌大会では金メダルも獲得。2015年には全国オーバー60夕張大会に関西代表として参加した。現在は部員数も増え、60歳以上と70歳以上の2チームを作れるようになり、それぞれの大会にも積極的に参戦している。

 普段は月1回程度、神島高校女子サッカー部と合同練習を兼ねた試合を行っている。田辺市の60歳以上のチームも加わり、和気あいあいとプレーを楽しんでいる。8月下旬の練習会でも、暑さの残る中、「まだまだ若いもん(者)には負けない」とグラウンドを走り回っていた。

 西さんは「みんなの力のおかげでチームができたし、こうやってサッカーを楽しむことができる」とますます元気。2代目監督を長年務めた美浜町和田の出口康男さん(74)は「毎月この集まりを楽しみにしているメンバーも多い。病気を抱えながらでもみんなで楽しくやっていて、生きがいになっています」と笑顔いっぱい。60歳以下のメンバーも歓迎しており、「一緒にサッカーをやってみたいと思う人は誰でも練習場所の神島高へ遊びに来てほしい」とPRしている。