やぐらを囲んで盆踊りを楽しむ参加者(湯川小学校)
浴衣や法被を着た参加者が輪になって踊った(印南町体育センター)

 新型コロナの影響による中止や規模縮小を経て、イベントやスポーツ大会が通常の内容、規模に戻りつつあるなか、19日には日高地方各地で納涼夏祭りが開催された。住民同士の交流、ふるさと意識を高めようと、御坊市は湯川小学校のグラウンドで湯川町夏祭り、印南町は体育センター内に盆踊りのやぐらが組まれ、いずれも4年ぶりに参加者が浴衣姿で集い、暑さを忘れて盛り上がった。

 17回目の湯川町夏祭りは小学校グラウンドにやぐらが組まれ、同校の5、6年生5人が地元に伝わる「湯川音頭」や「ズンパ音頭」「炭坑節」などの曲に合わせて太鼓を演奏。浴衣姿の女性らが夏の暑さを吹き飛ばすように軽快に踊っていた。

 天音太鼓保存会の太鼓披露や豪華景品が当たるお楽しみ抽選会のほか、会場ではグルメやゲームコーナーもあった。

 印南町は商工会、観光協会、社会福祉協議会、文化協会の共催で、「印南を元気にしよら・盆踊り」と題し、子どもからお年寄りまで多くの住民が参加した。

 印南出身の音楽家丸田大雅氏(1897~1978)が制作・発表した「印南音頭」や「印南盆唄」などの曲が流され、浴衣や法被を着た参加者が輪になって、印南音頭の「ドドンガ ドンと来て ドンと踊れ」の囃子に合わせて軽快に踊った。

 プログラムの途中では、共催団体を代表して商工会の中村泰介会長が「何とか4年ぶりに開催できた。先輩たちが残してくれた文化を大切にし、継承していきたい」とあいさつ。来賓の日裏勝己町長も「印南ならではの盆踊りを踊って、まちを元気にしていければ」と述べた。

 印南音頭は57年の合併よりも前に制作されており、歌詞が旧印南町(印南地区)の特徴のみで構成されていることから、10年前、町民全体に親しみを持ってほしいと文化協会の坂下緋美会長が稲原・切目・切目川・真妻地区それぞれの特徴を表す歌詞を追加。歌詞カードも配られ、新たな印南音頭を一緒にうたう場面もあった。