新型コロナの感染状況に関し、厚生労働省は先日、10日から16日まで1週間に定点医療機関(約5000機関)の1機関当たりの患者数が11・04人だったと発表した。前の週の9・14人と比べて1・21倍。新型コロナの感染法上の分類が2類相当からインフルエンザと同じ5類に変わった5月8日から9週連続で前の週を上回った。

 感染拡大は第9波に入ったといわれ、和歌山県でも10日から16日まで1週間の定点調査の患者数は全国平均を上回る14・3%と高い数値。沖縄県などでは医療のひっ迫が懸念されている。

 新型コロナだけでなく、インフルエンザの感染も目立っている。県内の定点調査では昨年12月以降、流行基準の1・0を超え、冬に流行することが多いインフルエンザが夏場の7月まで続いているのは異例だという。

 筆者も先月、コロナに感染した。どうやら家内からうつったようで、症状発生後から2日間は39度を超える高熱が出た。3日目以降は熱が治まったが、体の調子がすっきりとせず、すぐに完全回復とまではいかなかった。家内も同じような経過で回復したが、しばらくの間は「味覚がおかしい」と漏らしていた。

 コロナの感染法上の位置づけが引き下げられたからとはいえ、感染力が弱まった訳ではない。症状が悪化し、場合にはよっては入院せざるを得なくなることもある。最近では「コロナにかかっても家で療養すれば治る。以前ほど重症化しない」などと楽観視する声も聞く。しかし、過小評価し過ぎず、しっかりと感染防止対策することは大切。楽しいはずの夏休みが思わぬ形で辛い思い出に変わってしまうかもしれない。(雄)