たわわに実った梅を収穫(6月5日、晩稲地内)

 日本一の梅の里、みなべ町で今年5月1日から7月9日まで、一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会主催の梅収穫ワーケーションが行われ、東京や大阪などの会社員ら延べ382人が参加した。

 世界農業遺産みなべ・田辺の梅システムを活性化するプロジェクトの一環で、参加者は本業の傍ら、農家での梅収穫体験でリフレッシュ。1回目となった昨年は6月の1カ月で240人が参加し、町内11軒の農家が受け入れ。今年は3カ月余りに期間を延長、農家も19軒に増えた。

 東京からの参加が3割で最も多く、次いで神奈川や大阪などで、遠くは北海道や宮崎もあった。宿泊先は町内や田辺、白浜のホテルなど。参加者からは「農家の貴重な話を聞けた」「自然の中で作業に没頭でき、マインドフルネスな状態になれた」「梅のありがたみが分かり、みなべを第二のふるさとに感じるようになった」と好評で、受け入れ農家からは「忙しい収穫時期の作業が大助かり」「いろんな方が来てくれて楽しかった」などの声が聞かれた。

 地元受け入れ農家の調整役となっている岩本智良さん(41)=株式会社岩本食品代表取締役社長=は「最初は農家側に不安もありましたが、受け入れてみるといい刺激になり、新たな仲間が増えた気持ちになっています。参加者は自分の体験をSNSなどで発信してくれるので、梅やまちのPRにも大いにつながっています」と話し、来年以降も継続して実施していくという。