三尾館長㊨に本を寄贈した鳥飼さん夫妻

 カナダ・ユーコン準州の州都ホワイトホース在住で翻訳等を手掛けている鳥飼(とりかい)文彦さん(78)と妻妙子さん(78)が22日、美浜町三尾のカナダミュージアムを訪れ、2人で翻訳したカナダ移民の歴史等を紹介した本「私の名はユキコ」を寄贈した。

 東京育ちの鳥飼さんは24歳の時、大学を中退し、当時婚約者だった妙子さんとカナダへ移住。カナダの大学の音楽学科で学び、音楽教師として小学校から高校で29年勤めた。ユーコン日系人会の初代会長を長年務め、現在は副会長。

 全カナダ日系人協会が主催するカナダ移民者の話を聞くイベント等で通訳のボランティアをしたのがきっかけで、移民史に興味を持つようになった。インターネットなどでも移民の歴史を勉強したり、日本からカナダへ「写真婚」で渡って来た13人の日本人女性にスポットを当てた本「写婚妻」の英訳も経験した。

 数年前、カナダで自費出版された日系の少女を主人公に移民の歴史を紹介した「ON BEING YUKIKO」を全カナダ日系人協会を通じて知り、「日本の人にも知ってもらいたい」と考え、夫婦で翻訳した「私の名はユキコ」を500部出版。カナダ移民の歴史を伝えるカナダミュージアムのことをネット等で知り、今回初めて三尾を訪れ、原作本と翻訳した本を1冊ずつ寄贈した。

 鳥飼さんは「先の大戦では強制収容所に収容されたことなど、日系人の歴史を知らない人がたくさんいる。カナダの日系人だけでなく、日本にいてこれからカナダに行こうとしている人にも知ってもらいたい」と本を手渡した。ミュージアムの三尾たかえ館長は「さまざまな歴史があるんだと気づいてくれるきっかけになればうれしい」と話した。

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