みなべ町議会議員定数を14から2削減して12にする案が、17日の本会議で可決される見通しだったが、結局発議が見送られた。

 今月9日の委員会では委員長が削減の条例改正案を発議することが決まっていたが、16日には委員長から「自分の本意ではないため発議できない」との申し入れ。委員からは「委員会の決定は重く覆すことは許されない」との半面、「合理性があれば再考の余地はある」との意見があり、議論が平行線をたどったからだ。個人的には委員長だからといって委員会で決まった削減に賛成する必要はなく、本会議で一議員として自分の意思を示せばいいし、その権利があって当然だと思う。

 しかし、9日の委員会では委員長自らが発議する旨を伝え、了承された。心の中では削減に反対の考えを持っていると推察されるが、さまざまな葛藤の中、削減に賛成するという決断だったように思う。ただ、削減反対という信念があるならそれを貫き、あの委員会の場で発議者になることを固辞すべきだった。議員はそれぞれ有権者の支援を受けて当選し、票数の違いはあっても一人ひとりが同じ立場、責任を持つ。何ら他の議員から自分の考え方を無理強いされるようなものではなく、無理強いされるようでは情けない。委員会の決定は重く受け止めるべき。一方で発議者になるかどうかにかかわらず、委員長が削減に反対するなら、削減賛成派の議長を除く13人で削減案について採決すれば、現時点では賛成6人、反対7人で否決される可能性は高い。

 いずれにしても議員には行動力や決断力が大切なのは当然。一人ひとりが信念を貫き、責任ある判断をしていただきたい。(吉)