県は、新型コロナウイルス県内発生の3年間の総括と今後についてまとめた。2020年2月13日から始まった第1波から、現在下げ止まりとなっている第8波の今月13日までの感染者数累計は23万3986人に上り、県民4人に1人が感染したと推定。感染とワクチン接種による強固な「ハイブリッド免疫」を持った人が増えているが、引き続き感染予防の実施が必要だとしている。

 第1波から第8波まで波ごとの一日当たりの最大感染者数は第1波(20年2月13日~6月22日)が5人、第2波(20年6月23日~10月31日)が13人、第3波(20年11月1日~21年3月13日)が24人、第4波(21年3月14日~7月10日)が55人、第5波(21年7月11日~22年1月3日)が90人、第6波(22年1月4日~6月20日)が597人、第7波(22年6月21日~10月12日)が2381人、第8波(22年10月13日~)が2692人。第7波と8波で飛躍的に増加しており、特に第8波ではピーク時に1週間・人口10万人当たりの感染者数が全国平均や大阪、東京に比べても高い数値となった。

 3年間の保健所別延べ感染者数は和歌山市が10万1801人(県内全体の44%)でダントツ。次いで岩出2万8235人(12%)、田辺2万6374人(11%)、橋本2万620人(9%)、湯浅1万5971人(7%)、御坊1万3084人(6%)、新宮1万2928人(同)、海南1万2739人(5%)。3年間で何人に1人が感染したかを保健所別にみると、和歌山市が3・5人で最も感染割合が高く、次いで岩出4・0人。御坊は4・6人で下から2番目だった(上記の棒グラフ参照)。ほか入院、診療、クラスター、死亡者のデータや考察も詳細にまとめ、22日からホームページで公開している。

 野㞍孝子福祉保健部技監は今後の動向について「新たな変異株の流行も考えられることから適時・適切な1人ひとりの感染予防対策が必要。コロナの5類への移行(5月8日から)により、医療提供体制に混乱が起きないよう、コロナ診療に参画する医療機関を増やす対策が求められる」と分析している。