プラスチック製の円盤のようなフライングディスク。おいやん世代にはフリスビーと言った方が分かりやすいかもしれない。1940年代にアメリカ・イエール大学の学生がパイ皿を投げて遊んだのが始まり。その後、プラスチック製に改良、48年に商品化されたそうで、筆者も小学生の頃に投げて遊んだ。

 フライングディスクを投げる「アルティメット」と呼ばれる競技もある。アメリカンフットボールを基にしたスポーツで、ディスクをパスして相手ゴールまで運んで得点を取るチーム戦。世界85カ国に広がり、16万人の競技人口を持つグローバルスポーツでもあり、2028年のロサンゼルスオリンピックでの正式種目化を目指している。実は白浜町の白良浜でもビーチアルティメットの大会が数年前から開かれており、今年6月には全日本選手権、来年6月にはアジア・オセアニア選手権大会も開催される。

 去る16日には一般社団法人日本フライングディスク協会と南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会加盟の8市町などが「スポーツを通じた地域振興に関する協定」を再締結し、連携を深めながら大会誘致や地域活性化を図っていくことを確認。このアルティメットもまた、県を代表するスポーツとして定着しつつあると言える。

 ただ、協議会加盟のみなべや印南町でみてもフライングディスクや競技について馴染みが薄いのではないのだろうか。それならまず地元住民に知ってもらうため、体験会や簡単な競技会などを開催していくのも手。やはり地域全体で盛り上げていくことが大切だと思うし、将来は地元からアルティメットのスター選手が誕生することにも期待したい。(吉)