今年は統一地方選挙の年。日高地方でも22日に御坊市議会議員選挙が執行されたほか、31日に日高町議会議員選挙、来月7日に美浜町の町長と議員のダブル選挙、14日に由良町議会議員選挙がいずれも告示される。4月には県議会議員選挙の御坊市選挙区と日高郡選挙区が行われる。

 近年、選挙で問題視されているのが投票率の低下。昨年に行われた参議院選挙の投票率は52・05%、2年前の衆議院選では55・93%。有権者の半分程度が投票を棄権したことになり、外国の国政選挙と比較しても低い数字となっている。

 御坊市議選も例外ではない。16年前の2007年は80・23%だったが、11年が78・22%、15年が76・47%、4年前の前回が71・34%と低下し、さらに今回が63・79%で過去最低を更新した。

 選挙に行かない理由は、若者の政治離れなどが要因とされ、「誰が当選しても生活は変わらないから」「投票しようと思う候補者がいなかったから」「仕事が忙しかったから」など。平和な日本に住み、日常の生活にそれなりに満足し、政治を変える必要性を感じていないことも要因なのかもしれない。

 日本では選挙に行かないことが処罰の対象にはならないし、1人が投票しなかったからといって選挙の結果が変わるということはほとんどない。投票率が低かったとしても選挙の結果は有効に執行される。

 しかし、投票率があまりにも低くなると、選挙を通じた代議制民主主義の信頼性が揺るぎかねない。そして、投票を棄権するという行為は選挙結果を受け入れ、その後に行われる政策を無条件に従うということを意味する。それは肝に銘じておかなければならない。(雄)