崩土のあった県道(写真左上)沿いに新設されたう回路

 今年7月20日にみなべ町高野地内の県道たかの金屋線で発生した大規模崩土に伴う、う回路の設置工事が完了。29日から供用を開始し、約5カ月ぶりに車での往来が可能となった。

 現場は天寶神社北約600㍍。大雨などで地盤が緩み、延長60㍍、高さ40㍍にわたり山の斜面の崩土や擁壁ブロックのひび割れなどが発生。崩れた土砂や木が県道全体に覆いかぶさり、全面通行止めとなった。

 県道は同町高野から印南町上洞までを結ぶ生活ルート。みなべ側から崩土現場の奥には26世帯77人が住む集落があり、不便を強いられていた。地元住民と県は歩いて通れる小道を設置して緊急対応していたが、崩土の復旧が長期化する見通しとなったため、車が通行できるう回路を新設することにし、工事を進めていた。

 う回路は県道たかの金屋線沿いを流れる高野川をまたぐ形で設置され、水の流れは直径1・2㍍の管を複数設置することで確保。その上に盛土をしてアスファルト舗装した。幅員は3㍍、延長は176㍍。日高振興局建設部道路課は「現在、崩土は止まっているが、まだ様子を見る必要があり、県道復旧のめどは立っていない」と話している。