西麻布かみくらの上倉さんが目の前で削ったかつお節を提供(印南町の安養寺で)

 外国人観光客(インバウンド)の本格的な回復を図ろうと、全国各地の観光業者がさまざまな取り組みを見せているなか、県内でも中紀バス株式会社(高垣太郎代表取締役社長)が地元の商工会や団体などと連携し、主に外国人観光客に向けたパッケージツアーを考案。20・21日にはモニターツアーを行い、欧米やアジア5カ国の観光事業関係者が参加した。

 ツアー名は「和食の源流を求めて」。醤油やかつお節など和食に欠かせない食材は和歌山発祥が多いことから、実際に発祥の地を訪れてもらい、収穫体験や生産者の話を聞いて食材について理解を深め、その食材を最高の状態で堪能してもらおうという内容。モニターツアーでは、かつお節とわさび原種の発祥地である印南町をはじめ、有田市の箕島漁港、湯浅町の角長本店、すさみ町のレタス畑などを訪れた。

 20日は印南町発祥の食材の理解を深めるため、参加者が真妻わさびの田で収穫を体験。その後、同地区の安養寺へ移動し、東京の高級寿司店「西麻布かみくら」の店主、上倉孝史さんが目の前でかつお節を削り、わさびをすりおろして、モニターに寿司を提供した。

 また、安養寺では歓迎セレモニーもあり、池上省吾住職が真妻の地名の由来などを説明。地元である日裏勝己町長も出席し、地元全体で歓迎を行った。

 中紀バスは「こうして地元と連携して行うツアーは今までなく、知られざる日本の魅力、和歌山の魅力を発信できるツアーになっていると思います。再び多くの外国人観光客に足を運んでもらうきっかけになれば」と話している。