紀州鉄道で市役所に向かう学生ら

 東京の大正大学地域創生学科の学生8人が御坊市を拠点に5週間にわたって地域実習を行うことになり、初日の3日には紀州鉄道に乗車したり、三浦源吾市長を表敬訪問した。御坊日高博覧会(通称・御博=おんぱく)実行委員会が受け皿となった地域実習で、学生は12月17日に開幕するおんぱく2022のプログラムを1人ずつ企画するのが最終目標。大学とおんぱくがコラボした新しい取り組みに注目が集まっている。

 2016年から19年まで美浜町の地方創生統括官を務めた西山巨章さんが現在、大正大学地域創生学科の教授を務めており、親交のあるおんぱく中心メンバーの平野未花さんが今年春に学生に講義したことや、御坊市が同大学の広域地域自治体連携コンソーシアムに加盟していることなどが縁で、地域学習先(全国の8地域)に初めて御坊市が加わった。

 学生は11月4日まで、御坊市のシェアハウスや市民の家にホームステイし、おんぱくメンバーがスーパーバイザーとして学生1人ひとりをサポート。御坊日高探訪ツアーやミカン収穫体験など地域の歴史、文化、魅力に触れる機会を提供する。最終的には、学生がおんぱくパートナーとなり、1人1プログラムを企画、実行する。

 この日午後、御坊駅に到着した学生は紀州鉄道に乗車。市役所前で下車し、歩いて三浦市長を訪ねた。三浦市長は「外から見た御坊日高の魅力を見つけて、若い感性で企画を発表してくれることを期待しています」と歓迎。学生たちは「自転車が好きなので、地域活性化につながることを考えたい」「おんぱくで御坊市の発展に貢献できるプロジェクトを考えたい」「御坊の地域性を肌で感じるのが楽しみ」と一人ひとり抱負を述べた。

 2年生の羽賀健成さん(20)は「新潟出身で、もともと地場産業に関心があるので、御坊のことをしっかり勉強して、地場産業に関係するプログラムを作りたい」と張り切っていた。西山教授は「若者、よそ者の奇抜なアイデアで地域活性化の起爆剤になるアイデアを期待しています」と話した。

 8年目となる今年のおんぱくは、12月17日から23年1月22日までの37日間。冬の開催は初めてとなる。