地元の買い物客にふるさとをPR

 印南町、印南中学校(野田明校長)の3年生37人が今月10日から14日まで修学旅行で山陰地方を訪れ、11日には鳥取県米子市のイオン米子駅前店でふるさと印南町をPRした。

 県教育委員会が今年度から始めた「スクールパワーアップ事業」の補助金を活用。学校と地域の連携を図る生徒の主体的な取り組みを応援する事業で、同校は「ふるさとPR大作戦」のプロジェクト名で申請、採択された。今回の修学旅行先でPR活動を行ったほか、町の魅力を発信する動画作成などにも取り組んでいる。

 修学旅行先は例年東京で、ディズニーランド等を巡り主要施設を見学するパターンが多かったが、今年はコロナ感染拡大を考慮し、初めて鳥取・島根を行き先に選んだ。知らない土地でふるさとのPR活動を行うことで、地域活性化への関心が高まればということから選んだという。

 事前に3年生を対象に「印南の特産といえば?」のアンケートをとり、その結果、日の出堂のかえるまんじゅう、かきまでごはんの素、ダルマ醤油、株式会社ワークメイトのしいたけが選ばれ、これらを詰め合わせた特産品バッグ100セットを用意。このほか、どのようにPR活動をすれば効果的かなど、自分たちで話し合いを重ねた。

 PR当日はイオンの協力を得て館内放送で告知を行い、生徒が自分たちで作った町紹介のチラシを配りながら買い物客に特産品バッグをプレゼント。町のキャラクター「カッくん」「エルちゃん」も参加した。バッグは約1時間でなくなり、後日、受け取った客からお礼の手紙やメールが届くなど反響もあった。

 活動を終え、生徒からは「PRを通して、地元に貢献できると分かった」「見知らぬ人と関わり、地元をPRすることで人の温かみを感じることができた」などの声が聞かれた。学年主任の清水康利教諭(32)は「地元の人から好評を得て、一つの成功体験になったと思います。この経験を通して、自分が住んでいるまちのすばらしさに気づいて、今後の人生に役立ててもらえれば」と話している。