11月10日告示、27日投開票の知事選挙への対応を巡り、県町村会は8日、臨時理事会を開き、前衆議院議員の新人岸本周平氏(66)を推薦することを決めた。

 知事選に向けては岸本氏が今年5月に出馬表明。それまで所属していた国民民主党を離党し、今月1日に衆議院議員を辞職。一方、自民党県連は3日、和歌山市出身で青森県総務部長を務めている総務省の小谷知也氏(43)の擁立、推薦を決定。仁坂吉伸知事も小谷氏の支援を表明した。しかし、県連の中には岸本氏を推す根強い声があり、県町村会もそれに同調した形。自民県連の不協和音に加えて知事と町村長との温度差も浮き彫りとなり、保守王国和歌山を二分する激しい戦いに発展する可能性がある。

 県町村会の理事によると、「首長として岸本氏を推す派と小谷氏を推す派の両方から話をいただくが、県内町村間のわだかまりを避けるためにも、県町村会としての方向性を出した。ただ、各首長にはそれぞれの事情もあり、誰を支援するかは個々の判断に任せるという感じだった」という。

 一部首長の中には「小谷氏のことはみんな知らない。仁坂知事が新人で出馬する時には事前に市町村長に話があったが、今回はなぜそれをせずに、いきなり県連が推薦を決定したのか」と不満を漏らす人もいたという。

 県市長会の対応は、事務局によると現時点でどの候補からも推薦依頼が来ておらず、各市長から協議を求める声も出ていないことから白紙の状態だという。