選果作業が進められるYN26

 日高川町入野のJA紀州川辺果樹選果場で9日、極早生ミカン「YN26」の出荷・選果作業がスタートした。県果樹試験場で開発され、2012年に品種登録された新しい極早生温州ミカンで、県内で最も早い9月に出荷されることや、青い果皮に包まれた果肉は黄色く熟し、甘いのが特徴。今年は夏に雨が少なかったため、例年より糖度が高く、小ぶりだが上々の出来栄え。今月下旬までに約100㌧が大阪、東京などに出荷される。

 YN26は、県果樹試験場が開発した県オリジナル品種で、ゆら早生と紅まどかを親に持つ。見た目は青いが、果肉は熟し、糖度と酸味のバランスもよく、房を包むじょうのう膜が薄くて食べやすいのが特徴となっている。JA紀州でも主力の極早生「ゆら早生」よりも早く収穫できるYN26の栽培面積増加を図っている。

 日高川町や御坊市などの生産者でつくる中央柑橘部会では現在、約70軒、8㌶で栽培されており、木の生育とともに年々順調に出荷量を伸ばしている。川辺果樹選果場では8年前から取り扱い始め、昨年は60㌧を出荷しており、今年は100㌧を見込んでいる。

 同JA日高川営農販売センターの営農指導員によると、今年の夏は雨が少なかったため小ぶり傾向だが、好天に恵まれた分、例年以上に糖度が高く、9月1日の果実分析では平均糖度10・6で、県ブランド「紀のゆらら」として出荷できる10度以上のラインを上回っている。8月下旬の雨で園地によっては果皮の割れなども発生したが、全体的には上々の出来で「見た目は青いですが、中は熟して甘く仕上がっています。今年初のミカンを食べてみてください」とPRしている。

 出荷は今月15日過ぎをピークに25日まで続き、大阪、東京、長野などを中心に全国に出荷されるほか、同JA直売所などでも販売される。