第104回全国高校野球選手権大会の決勝が22日に行われ、仙台育英(宮城)が下関国際(山口)を8―1で破って初優勝を果たした。東北勢は春夏通算13度目の決勝進出で、今回初めての全国制覇。まさに歴史を塗り替えるにふさわしい勝利といえる。下関国際も優勝は逃したものの、春の大会で優勝した大阪桐蔭(大阪)、準優勝の近江(滋賀)など強敵を撃破するなど大健闘。どの試合も高校生らしい好ゲームが展開され、テレビに釘付けとなった。

 高校野球に限らず、県の代表チームや地域の出身選手が出場していると、応援したい気持ちになる。和歌山県代表の智弁和歌山は初戦敗退となったが、甲子園でベスト4の近江には河南中出身の小竹雅斗君(2年)、ベスト8入りした大阪桐蔭では御坊中出身の大前圭右君(3年)が活躍した。小竹君は全試合フル出場し、投打にわたってチームに貢献。大前君も強豪の大阪桐蔭でレギュラーを勝ち取り、二本学舎大附(西東京)、下関国際でフル出場した。

 甲子園だけでなく、予選の県大会も見どころが多かった。特に取材で印象に残ったのは南部龍神の松田健太郎主将。松田主将が小学生だった9年前の2013年、同校が夏の県大会で過去最高ベスト8入りした試合を紀三井寺のスタンドから観戦したという。試合後のインタービューでは「高校生になったら南部龍神のユニフォームを着て、この舞台に立ちたいと思いがありました」と先輩への憧れの気持ちを語った。

 日高地方は野球のほか、バレーボール、サッカーなどの各種競技が盛ん。身近な選手の活躍は小中学生らに勇気を与え、将来の選手を育てる大きな力にもなり得る。(雄)