先月、トヨタ自動車に部品を提供するメーカーがサイバー攻撃を受けた。この影響でトヨタ自動車は、一時、国内のすべての工場が停止する事態となり、約1万3000台の生産の遅れが発生した。

 攻撃に使われたのは「ランサムウエア」と呼ばれる身代金要求型の悪質なプログラムの疑いがあるとのこと。このウイルスにコンピューターが感染すると、システムがロックされて使えなくなったり、データが暗号化されたりし、復元と引き換えに金銭を要求してくる。世界各国で被害が相次いでおり、金銭を支払ったとしてもデータが戻る保障はない。感染方法はいくつかあるが、その中の一つに不特定多数にメールを送りつけ、添付ファイルや、本文に書かれたURLでダウンロードさせる方法がある。

 身近なメールで被害に遭う可能性があるので注意が必要だ。メールと言えば、会社のアドレスに多くの迷惑メールが届く。最近では「アマゾン」「えきねっと」などを語っており、偽サイトなどに誘導してアカウント情報などを抜き取ろうとするのだろう。会社のHPにメールアドレスを記載しているのが原因と思われるが、必要なメールも届くので、なかなか対策が難しい。

 毎日、たくさんの迷惑メールが届くが、多くの人はすぐに気付き開くことはないだろう。ただ文面などはどんどん新たなものが出てきており、送り主が個人名で内容が「先程のデータ送ります」などのメールは、タイミング次第では迷惑メールと気付かず開くこともあるかもしれない。
 またリモートワークが広まるに連れ、そこを狙った攻撃を仕掛けるなど、どんどん巧妙になってきているサイバー攻撃。今まで以上にセキュリティへの意識を持つことが必要だ。

(城)