県警が昨年押収した大麻草など(県警提供)

 県警は2021年の1年間に、薬物事犯で168人を検挙した。内訳は覚醒剤100人、大麻が66人、その他2人。大麻による検挙数は、過去最多だった20年に次ぐ数で、20代以下の若年層が全体の約8割を占めた。

 県警組織犯罪対策課によると、17年から21年までの5年間、薬物犯罪全体の検挙数は155~185人で推移。大麻の検挙数は17年が48人、18年36人、19年40人、20年76人、21年66人と増加傾向にある。21年の検挙を年齢別でみると、20代が31人と最も多く、次いで未成年23人、以下は30代6人、40代5人、50歳以上1人。特に若年層の増加が目立っており、未成年を職業別でみると、無職5人、有職12人、学生6人だった。

 一方、覚醒剤の検挙は17年130人、18年147人、19年109人、20年91人、21年100人と若干減少傾向。21年の検挙を年齢別でみると、40代が37人と最も多く、次いで50歳以上34人、30代21人、20代6人、未成年2人と年齢層が高かった。

 同課によると、変動はあるものの大麻は覚醒剤と比べて10分の1程度と安価で、たばこ感覚で入手している若者もおり、知り合いやインターネットを通じて手に入れるケースが多いという。大麻は乱用すれば学習能力低下や記憶障害、人格変化といった影響が出るにもかかわらず、インターネットでは「依存性はない」「有害ではない」と誤った情報が拡散。会員制交流サイト(SNS)を通じて「野菜」などの隠語やブロッコリーの絵文字を使い、売買される例も確認されている。

 担当者によると、大麻は他のさらに強い副作用や依存性のある薬物の使用の入り口となる「ゲートウェイドラッグ」の一つ。今回の結果を受けて「各種薬物事犯の検挙徹底を図るとともに、引き続き薬物乱用防止の講話や啓発イベントを強化し、薬物事犯の撲滅に努めたい」としている。