東京五輪が幕を閉じたのもつかの間、日本選手のメダルラッシュに沸いた熱気が冷めやらないうちに、24日からはパラリンピックが開幕。9月5日までの13日間、22競技で熱戦が展開される。

 高校のバスケットボール部時代、御坊市で開催された車いすバスケ大会の運営をサポートした経験がある。車いすバスケは下肢等に障害のある選手が競技用の車いすを巧みに操作しながらプレー。使用するコートやリングの高さは一般のバスケと同じで、激しい攻防やスピーディーなパスワークが見られる。体験もあり、実際に車いすに乗ったが、うまく進めず、シュートもゴールに届かない。パラアスリートのすごさや競技の面白さに触れた記憶がある。

 車いすバスケの選手にはそれぞれ障害のレベルに応じて分けられた持ち点があり、障害の重い選手も活躍できるシステム。持ち点は最も障害の重い1・0点から最も軽い4・5点まで0・5点刻みで、コート上の5人の合計点は14点以内と決められている。「ダブルドリブルなし」「ボールを持った状態で車いすを3回こぐとトラベリング」といったルール以外、大半は一般のバスケと変わらず、ルールも難しくないため観戦しやすい競技だと思う。

 東京大会のビジョンに「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」、「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」、「そして、未来につなげよう(未来への継承)」が基本コンセプトとして掲げられている。パラリンピックは五輪以上に「多様性」や「共生」といったテーマを深く考える機会。「すぐに」「劇的に」とはいかないだろうが、一人ひとりの意識が変わる機会になれば。(笑)