今月23日の東京オリンピック・パラリンピックの開会式。各国の選手入場の一曲目で懐かしい曲が流れてきたと思ったら、家庭用ゲーム機の一大ブームをつくった「ドラゴンクエスト」のテーマ。このほかにも「ファイナルファンタジー」「モンスターハンター」など人気ゲームの曲が使われていた。世界が注目する大舞台で、まさかなじみの曲が聞けるとは思ってもおらず、鳥肌が立った。

 かつて筆者もファミコンで遊んだが、その世代では「ゲームばかりせずに勉強しなさい」「ゲームをするとバカになる」などと、肩身の狭い思いをした人も多いはず。ところが、その後もゲームは進化を続け、日本のゲームの品質は海外からも評価されるほどに成長。いまとなってはゲームの実況を行ってわずか1カ月で数千万円を稼ぐユーチューバーもおり、人気の職業だ。

 開会式はダンスや歌、ドローンのパフォーマンスなどもあり、日本の文化、歴史、科学技術などを世界にアピール。その中でゲーム音楽が使われたことは、ゲームが世界に誇れる日本の文化として根付いていることを示しているとも言え、ゲーム好きの筆者にとっては感慨深い。

 そんなオリンピックでは卓球で史上初の金メダル獲得、スケボーで13歳の史上最年少金メダリスト誕生など、日本選手団のメダルラッシュ。コロナ禍の中も厳しい練習に耐えて栄冠をつかむ姿は、多くの人に感動や勇気を与えてくれる。個人的にはコロナでオリンピックは中止すべきだと思っていたが、選手たちの活躍や笑顔を見ると、多少強引な開催にも意義があると感じるし、「コロナなんかに負けてられない」という気になる。  (吉)