俗にジャンボタニシと呼ばれる外来種のスクミリンゴガイによる農作物への被害が発生している。用水路や水田の周辺で繁殖し、田植え直後の柔らかい稲が食害される。日高地方でもこの時期になると、農家らが1つずつ拾い集める人海戦術などを展開しているが、撲滅は難しいようだ。

 1980年代に食用目的で輸入された南米原産の淡水性の巻貝。放棄されたり、養殖場から逃げ出したりして野生化したという。卵は直径2㍉の球状で鮮やかなピンク色。数十個が集まり、水路のコンクリート壁や稲株などに産み付けられる。

 この厄介者のジャンボタニシの対策で、岐阜県関市の小学6年生が捕まえるワナを開発した。材料は市販されているプラスチック製植木鉢とペットボトルを利用。まず、植木鉢の側面3カ所にジャンボタニシの侵入口となる穴を開ける。その穴から侵入してきたジャンボタニシを閉じ込めるため、細かく切れ込みを入れたペットボトルを装着するのがポイント。脱出しようとしてもジャンボタニシの重さで細く切れ込みを入れたペットボトルがしなり、捕獲装置の中に落ちて戻ることになる仕組みだという。エサは米ぬかとちりめんじゃこを合わせて使用する。同市は実際に装置をつくって被害農家に配布。子どもの発想力が駆除の対策として実用化された。

 対策が難しい難題に直面した時、ちょっと考え方を変えることで道が開けることがある。今、新型コロナが蔓延し、飲食店や観光業が大きなダメージを受けている。半面、コロナを乗り越えている企業なども多い。昔からよく言われることだが、「ピンチはチャンス」。両者は常に隣り合わせ。今がビジネスチャンスともいえるだろう。(雄)