20~30年前まで小学生のクラブ活動と言えば、「男の子は野球、女の子はバレーボール」というような風潮が強かった。しかし、近年はサッカー、水泳、剣道、ソフトテニスなどのスポーツクラブの種類が豊富で、好きなスポーツ種目に挑戦できる環境にある。さらに昔は男の子だけとされていたスポーツにも女の子が参加する機会が多くなり、野球を例にとってみると、今はどこのチームにも女子の登録選手がみられ、チームの中心選手として活躍している光景は珍しくなくなった。

 「スポーツ」の語源をたどると、「気分を転じる」「楽しませる」「遊ぶ」という意味があるらしい。このことからすると、「この種目は男子のスポーツ、あの種目は女子のスポーツ」と決めつけてしまう必要はまったくなく、やりたい種目を自由に選んで楽しむことが重要といえるだろう。そういう意味では今の子どもたちは昔と比べて恵まれた環境にあるといえるのではないだろうか。

 日高地方で盛んな野球では小学生の女子でつくる「日高ドリームガールズ」が結成されている。県下でも強豪で、チーム内から2選手が県選抜チーム「和歌山ハーモニーズ」にメンバー入りし、7月30日に愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで開幕するNPBガールズトーナメント2021全日本女子学童軟式野球大会に出場する。

 昨年、この大会は新型コロナ感染症防止のために中止となったが、ハーモニーズは19年の前回大会、18年の前々回大会でいずれも準優勝する強豪。今年はぜひ、念願の全国優勝を成し遂げ、日高地方の女子選手が全国で活躍する姿をアピールしてくれることを期待している。    (雄)