桃の節句の3日、人形供養で知られる和歌山市の淡嶋神社で、女の子の健やかな成長を願って、ひな人形を乗せた舟を海へ流す伝統行事「ひな流し」が行われ、新聞に掲載されていた。それらによると、同神社の祭神・少彦名命(すくなひこなのみこと)と、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)は、「おびな」「めびな」の始まりとされ、1年間で全国各地から同神社に納められた人形は約5万体。その中から300体が、白木の小舟2隻に乗せられ、沖へ送り出された。

 人形の奉納は江戸時代中期に始まったとされる。紀州徳川家では姫が生まれると、一対のひな人形を同神社に奉納。この故事にちなんで神社には全国から古くなった人形が寄せられるようになったという。歴史や寺社仏閣は好きだが、男兄弟で育ち、おいしかいないためか、桃の節句については無知。昨年、娘が生まれ、初節句に実家からひな人形をもらうなかで、このニュースを含めて関心を持った。

 ネットで調べてみると、節句は1年間に5日。季節の節日に邪気を払うものとして中国から伝わり、1月7日の「人日」、3月3日の「上巳」、5月5日の「端午」、7月7日の「七夕」、9月9日の「重陽」を五節句といい、桃の節句の上巳は人の身代わりとして紙の人形に災いを移して川に流す風習と、女の子が人形のお姫(ひい)さまで遊ぶ習慣が結びつき、「お姫さまの人形を飾って女の子の健やかな成長を祈る日」になったそうだ。

 そんな今年の3月3日、コロナ禍でさまざまな制約があるなかだが、家族と両親らで娘の初節句を祝った。季節の節目に無病息災を祈願。伝統行事に興味を持つのも大切だ。(笑)