東京や大阪でのコロナ感染が急拡大し、県内でも年明けからほぼ連日二桁台の新たな感染者が出ている。国内では昨年1月6日、中国武漢市に渡航歴のある男性からコロナを初確認して以降、じわりじわり拡大していき、政府はゴールデンウイーク前の4月7日、東京、大阪、兵庫など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令。16日には全47都道府県に拡大し、5月14日に解除。この頃はマスク着用や消毒はもちろん、外食の自粛など、国民全体の危機意識が高かったように思う。

 空気が乾燥する冬の時期は感染が増えると懸念はされていたが、第三波と言われる現在の感染急拡大の背景には、何か気の緩みが出ている気がする。テレビニュースをみると、首都圏では時短営業により、夜遅くまで飲みに行けなくなっているが、それなら店が開いている時間帯に飲みに行けばいいとばかりに、昼飲みする人の姿も。例え昼であろうが夜であろうが、集団での会食は感染リスクが高いのは当たり前。高齢者以外は症状が軽症だったり、無症状だったりすることも多いので、徐々に危機意識が薄れているのだろうか。

 県内でも首都圏に緊急事態宣言が出された今月8日に和歌山市内で一緒に会食やカラオケをしていた20代の国家公務員や東京から来た人ら4人の陽性が判明。国の分科会が自粛を求める「5人以上の会食」には当たらないし、緊急事態宣言は他の地域だからと、高をくくったのか。遊びたい気持ちも分かるが、少し羽目を外し過ぎたのかもしれない。全く出口の見えないコロナとの戦い。菅首相のリーダーシップとさらなる手厚い支援を待ちつつ、とにかく耐えるしかない。(吉)