障害を克服し、生き生きとした社会生活を送っている障害者をたたえる「紀の国チャレンジド賞」の授与式が県庁で行われた。今年度は障害を克服し、5年以上にわたり社会経済活動を行い、自立して生活を続ける「自立更生者賞」を2人、スポーツや文化の分野で活躍し、他の障害者の模範となる人への「チャレンジド賞」を3人が受賞。また、障害者の社会生活を支える家族や障害者福祉施設の関係者ら5人に知事感謝状が贈られた。

 日高地方からも「自立更生者賞」を美浜町和田の山本浩司さん(58)が受賞。授与式を前に、話を聞かせてもらった。山本さんは大学を卒業、就職して1年に満たないころ、交通事故に遭い、右半身麻痺に。それから懸命のリハビリを経て、自立生活が可能な状態に回復した。受賞に「支えてくれる家族や障害があっても付き合いをしてくれる友人、地域、仕事関係の皆さんら、関わりのある全ての人のおかげ」と話す一方、「まだまだ障害者が蔑視されるところがある。誰でも何でも一緒の輪に入れる社会になれば」。考えさせられるコメントだった。

 この授与式が行われた4日は、「世界人権デー」(10日)まで1週間の「人権週間」初日。このほか、各地で啓発活動も行われていた。人権啓発キャッチコピーは「『誰か』のこと じゃない。」。いじめや児童虐待、インターネット上での誹謗中傷、名誉やプライバシー侵害、職場でのハラスメントと人権侵害が横行するなか、障害のある人や外国人らに対する偏見や差別を解消するため、誰もがお互いの人権を尊重し合う「心のバリアフリー」をさらに推進し、多様な主体が互いに連携し支え合う共生社会を実現する必要がある。(笑)