今年1月、美浜町吉原と田井を結ぶ令和新橋が開通し、交通量の増加とともに、その東側の交差点で交通事故が起きている。令和新橋を含む東西の町道吉原上田井線と、南北の町道田井和田中央線が交わるところ。見通しはよく、田井和田中央線を優先で、吉原上田井線に一時停止の義務がある。

 御坊署交通課によると、事故は8月末までに人身、物損合わせて8件発生し、月1回のペース。車同士の出合い頭を中心に、原因の多くは不十分な安全確認で、一時停止しているにもかかわらず、衝突したケースもあるとみられている。何度か事故現場を見に行ったが、いずれも車が派手に壊れており、犠牲者が出ていないのがせめてもの救いだろう。

 ネットで調べたところ、周囲に田畑が広がっている見通しのいい交差点で、白昼にもかかわらず車同士の出合い頭の衝突事故が起きるのには、「コリジョンコース現象」がかかわっているケースがあるという。人間の視野には、物の色や形をはっきり認識できる「中心視野」と、色や形の違いや動かないものは認識しづらい「周辺視野」があり、ドライバーは横から近づく車を「周辺視野」で捉えやすいため、交差する車両が同じ速度、同じ角度で近づいてくると、車が動いていないように見え、直前まで危険を認識できず衝突してしまうことがあるそうだ。

 だからといって仕方ないわけではない。意識してみると、停止線の手前から減速しながら左右を確認し、停止後、発進までの安全確認がおろそかになっているときはないだろうか。建物や塀があって見通しの悪い路地で同じことはしない。念には念の安全確認を徹底しよう。(笑)