日高町議会は1日、全員協議会を開き、町道改良工事で国からの交付金を不正受給していた問題に関し、職員の不祥事の再発防止策について執行部から説明を受けた。町が打ち出した対策に議員からは、「これらはどれも普段から取り組むべきこと」「具体性に欠ける」などと厳しい声もあり、対策が絵に描いた餅に終わらぬよう、内容の再検討へ注文が出された。

 今回の国からの交付金不正受給問題は、町道改良工事の担当者である産業建設課課長補佐(46)が事業の遅れをごまかすため、進んでいない工事を完了したとする虚偽の書類を作成するなどし、交付金約7300万円を不正に受給していた。

 この日の全員協議会には松本秀司町長、田中達也副町長、坂本佳史産業建設課長、塩路晴彦総務政策課長が出席。執行部は再発防止策として、▽管理職を対象とした研修会を実施し、課員に指導する▽四半期ごとに発注状況を供覧、情報共有を行う▽個人面談などを適宜実施し、業務の状況把握に努める――など13項目をとりまとめ、松本町長が1つずつ説明した。

 議員からは「これは従来からやっておかなければならない当然の内容」「各防止策ができているのか、できていないのかは誰がチェックするのか」などの厳しい指摘、疑問が相次ぎ、今回の再発防止策は具体性に欠けるとして再考を求める声も出た。

 「機構改革による課の再編を検討する」という項目に関しては「限られた人員の中でどう進めるのか」、処分を検討する賞罰委員会については「第三者を加える必要があったのではないか」という声があり、松本町長はそれぞれ「各課の事業量が増えている中で、効率よく進められるよう考えたい」「賞罰委員会の委員は町長が指名する職員となっている。決定した内容については弁護士に伺いも立てた」などと答えた。

 執行部からは町長、副町長の管理責任に関する報告もあり、松本町長は「9月議会で減給処分を提案したい」と述べた。すでに担当の課長補佐は停職6カ月、上司の産業建設課長が10分の1(4カ月)の減給、文書偽造に使用された公印の管理責任者に当たる総務政策課長は訓告となっている。

写真=不祥事の再発防止策を説明する松本町長