「防災の日」の1日、印南町体育センターで避難所開設訓練が行われ、役場や社協職員、議会議員、自主防災会役員、民生委員ら約150人が参加した。台風シーズンを迎え、新型コロナウイルスなど感染症対策を踏まえた避難所での受け入れを実践。いかに「3密」を回避するかが課題で、段ボール間仕切りの組み立てやテレビ会議での情報伝達などを行い、もしもの場合に備えた。

 コロナ禍の中、地震や風水害などの自然災害と感染症による「複合災害」に備え、避難者を安全かつ円滑に避難所で受け入れられるよう、同町初の訓練。開会で日裏勝己町長が「沖縄に台風9号が接近している。幸い西日本にはあまり影響がないと聞くが、今後も台風などの異常気象の中でコロナと闘わなければならない。安全、安心のまちへ、皆さんの力を借りたい」とあいさつした。

 訓練は班に分かれて行い、間仕切りの組み立てでは、専用の段ボールを使って2×2㍍、高さ95㌢の囲いをつくって居住空間を確保するとともに、避難者同士の飛まつ感染を防止。結束バンドで簡単に組み立てられ、参加者はテキパキと作業を行った。

 一部屋に2人入ることができ、全部で48部屋96人分をつくり、一定の間隔を開けて設置。同様にカーテン間仕切りの組み立ても体験した。

 テレビ会議(Zoom)を活用したリモート情報伝達訓練では、避難所と役場災害対策本部をつなぎ、モニターやタブレットで互いの顔が見える形で、避難所の状況を伝えた。避難者の受付では検温を行い、コロナの濃厚接触者かどうか、においや味を感じるかなどの症状の有無を入念にチェックした。

 津井自主防災会の塩路久夫会長(63)は「避難所では感染予防のため、間仕切りが必要だと感じた。組み立ては初めてだが、わりと素早くできた。数が多くてもすぐ組み立てできそう」と話していた。

写真=段ボール間仕切りを組み立てる参加者